体験談から学ぶキャッシング利用の心構え

キャッシング会社のホームページには、
「収入と支出のバランスを大切に。無理のない返済計画を。」
「借りすぎに注意しましょう」
など、使い過ぎ借りすぎへの注意喚起の文言が掲示されています。
もちろん最初から、やたら借入れを増やそうと思ってキャッシングするような人は誰もいませんし、借入れした当初は、これ以上余分な借入れはしないと強く思っていたはずです。‘
しかし、気が付いたら、どんどん借入額が増えていたという話はよく聞きます。
むしろ、最初、予定していた額だけしか利用しなかった人の方がすくないのではないでしょうか。
今回は、実際にキャッシング利用した、杉本さん(仮名)の体験談をもとに、キャッシングのする際の心構えについて考えてみたいと思います。

【きっかけはごく些細なことから】

杉本さんは、35歳の会社員です。年収は約600万円、家族は妻と子供1人の、ごく一般的な中流家庭の人です。杉本さんの仕事は営業なので基本外回りです。1日のスケジュールは事前に組むのですが、突如、予定外に時間が空いてしまうことも多々あります。
そんな時、以前は喫茶店で時間をつぶしていましたが、周りの仲間の影響もあり、最近はパチンコ店で時間をつぶすようになっていました。
パチンコ店に入っても、時間つぶしが目的なので基本、大当たり確率の低い、「甘デジ」しか打つことはありませんでした。しかし、その日は、ついつい魔が差してしまい、気が付けば、もらったばかりの小遣い分3万円をそっくり負けてしまいました。
もちろん、この時点で、奥さんに正直に話せば、多少、お目玉をくらうにせよ、前借りとして小遣いの補填をしてもらうことも出来たと思います。
しかし、それでは杉本さんが納得できません。負けた分を多少でも取り戻したい気持ちが強くありました。
「あと1回だけ勝負して、負けたらきれいさっぱりパチンコはやめよう。」
「3万円ぐらいなら借りても自力で返済できる。」
そう自分に言い聞かせ、キャッシングを利用することにしました。

【あっという間に50万円】

杉本さんは、それまでキャッシングの経験はありませんでしたが、友人で利用している人もいたので、それほど抵抗はありませんでした。
「絶対に3万円しか利用しない。」
そう心に決めて申込みをしましたが、キャッシング会社からは提示されたのは、限度額50万円でした。
「50万円はあくまで利用限度額で、その範囲内であれば必要な金額をいつでも引き出すことが出来ます。」
このような説明を受けて、杉本さんは、早速、キャッシング会社と契約をしてとりあえず3万円だけATMから引き出しました。
事前に調べたところ、10万円までの利用であれば、月々の最低返済額は4千円でした。
月4千円であれば3万円の小遣いで十分返済出来る範囲です。
3万円借りても10万円借りても、月の最低返済額は同じ4千円です。その油断からか、借入額が10万円に増えるのには1カ月もかかりませんでした。
最低返済金額8千円までなら大丈夫。1万1千円までなら、1万3千円までなら、といくらまでなら返済出来るという考えをしていった結果、気づいたら借入額は、限度50万円目一杯まで一気に増えていました。

【現実の返済は】

50万円を借りていた時の返済額は1万3千円でした。ですが、杉本さんは、なるべく多めに返済してゆこうと、お小遣いが入ると、2万円ほどの入金をしていました。
しかし、すぐにお金が足りなくなり、千円単位で追加出金を繰り返すようになりました。
また、財布に残った1万円の内、5千円だけパチンコで勝負して増やそうとして、結果、負けてしまうなど、かなり厳しい状況になっていました。
利用限度額も50万円からは増えることはなく、これ以上の追加融資は出来なくなっていました。
借入れのことは奥さんには内緒なので、返済原資は小遣いしかありません。
返済して残ったお金は、付き合いの飲み代、タバコ代ですぐになくなってしまいます。
しかも1万3千円の返済で50万円を返済完了するにはキャッシング会社のホームページにある返済シュミュレーションで計算すると5年もかかることがわかりました。その現実を知った時に杉本さんの心は折れてしまいました。
「自分の小遣いだけで返済してゆくのは無理がある」
どうしても奥さんに話が出来なかった杉本さんは、結局、実家に頼んでお金を借り、キャッシング会社からの負債は完済しました。
実家には少しずつ返してゆくという約束でしたが今もなかなか守れていません。

【キャッシングを利用する時の心構え】

この杉本さんのキャッシング体験談からは学ぶべき点がいくつかあります。

①ギャンブルでの借入れはしない

ギャンブルは、ついつい熱くなってしまい冷静な判断ができません。そのような精神状態でキャッシングをするとどんどん負債は増えてしまいます。

②必要以上の限度枠をとらない

限度枠に空きがあると、ついつい安易に追加で引き出しをしてしまいがちです。
最初から、自制して必要以上の限度枠を設定しないことも大切です。

③いくらまでなら返済できるという考え方は危険

例えば、「10万円までなら、いくら借りても4千円だから返済出来る。」などと安易に考えていると、本当にあっという間に借入れは10万円になってしまいます。
また、「1万6千円までの支払いなら小遣いでやっていける」と考えていると、本当に、最低返済額が1万6千円の限度額まですぐにいってしまいます。

④最低返済額しか返済しなければ完済まで何年かかるか調べておく

最低返済額しか支払をしなければ、一度も引き出しをしなくても、完済するまでに、かなりの年数がかかります。利用する前にそのことは理解しておいた方が良いでしょう。

⑤家族に内緒での利用は大変

杉本さんの収入からすれば50万円の借入れ自体は、大したことはありません。しかし、家族に内緒でキャッシング利用をするのは、借入れ額が少なくても大変な苦労があります。
現実的にお小遣いだけで返済してゆくのはかなり厳しいでしょう。

⑥いざという時のことも考えておく

杉本さんは今回、早い段階で実家に助けてもらいました。
この行為は決してほめられたものではありませんが、借入れ先を2件、3件と増やしてしまう前だったことは不幸中の幸いです。
もともと本当にどうしようもなくなった時は、実家や奥さんに相談することは、当初から念頭にあったと思います。
実生活では、病気や転職などで、月々の返済が困難になってしまうことも起こり得ます。
そんな時、どのようにして清算するか、考えておくことは重要です。

投稿者プロフィール

ShibataMasaru
ShibataMasaru金融専門記者
自らもかつて貸金業に従事。現在は金融情報専門のライターとして精力的に情報の収集及び当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。

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