【JICCとCICでは登録期間が異なる】
信用情報機関に、延滞や自己破産などのいわゆる「事故情報」がいつまで掲載されるのか気になる人は多いと思います。
当サイトにもこのような質問は、複数寄せられています。
キャッシング審査で最も利用されている、JICCの事故情報の登録期間については、既に、こちらの記事で詳しく解説させて頂きました。
(JICC情報を徹底解説(その②「事故情報」について)
但し、厳密に言うと、JICC情報の登録期間だけ熟知していても不十分です。
貸金業法に基づく、もうひとつの指定信用情報機関に、(株)シー・アイ・シー(CIC)がありますが、実は、JICCとCICでは、事故情報の登録期間が、異なっています。
このため、CIC情報の登録期間についても理解しておいた方が良いでしょう。
CICに抹消依頼をするのも手です。
詳しくは記事をどうぞ。
※追記:2019年10月からは、JICCでは、このような登録期間の違いが解消されるようになります。例えば、CICと登録期間を合わせるために、「延滞解消」は、契約終了後5年間登録されることになります。
【CICの延滞事故の登録期間】
JICCの場合、入金予定日より3カ月以上入金されなかったものは、「延滞」という異動情報が発生します。その後、延滞が解消されれば、「延滞解消」いう情報に変化します。
そして「延滞解消」が発生してから1年経過すれば、一連の延滞に関する情報は抹消されることになります。
CICの場合は、入金予定日より61日以上または3カ月以上入金がなければ、「異動」という情報が発生します。(ここまではJICCとほぼ一緒です。)
しかし、この「異動」が抹消されるのは、5年の期間を要することになります。
さらに、この5年間の起算日はどこからかというのは、各金融機関によって解釈が異なっています。
例えば、
・延滞が解消してから5年間
・契約終了してから5年間
どちらの解釈でも、CICの規約上は、問題ないことになっているのです。
契約終了してから5年間登録されるということは、事故発生時から考えれば、かなり長い年月、登録され続けることになります。
※追記:2019年10月より、JICCでは、CICと登録期間を合わせるために、「延滞解消」は、契約終了後5年間登録されることになります。(契約日が2019年9月30日以前であれば従来通り)
【CICの自己破産、債務整理の登録期間】
自己破産、債務整理についても同様です。
JICCの場合は、情報の発生日から5年ですが、CICの場合は、延滞と同じく、起算日に関しては各社の解釈が異なっています。
最長で考えれば、契約終了後5年間ということになります。
※追記:2019年10月1日より、JICCでは、CICと登録期間を合わせるために、これらの参考情報は、契約終了後5年間登録されることになります。(契約日が2019年9月30日以前であれば従来通り)
【JICCにも影響】
では、たとえ、CIC情報が抹消されていなくても、JICC情報が抹消されていれば、JICCにだけ加盟している消費者金融には、わからないかと言えばそうではありません。
JICCとCICは、貸金業に関する残高情報などの交流を行っています。(FINE)
このため、CICに「異動」が登録されていれば、おのずとJICCでも判明してしまいます。
【登録状況を把握するには】
このように、各社の登録期間の解釈が異なる以上、登録状況を正確に把握するには、自分自身の信用情報を開示するしかありません。
(開示方法については、各信用情報機関の公式ホームページを確認下さい。)
・(株)日本信用情報機構(JICC)
・(株)シー・アイ・シー(CIC)
また、JICC情報が既に抹消されている場合、CIC情報の抹消依頼をしてみるのも方法です。
情報を掲載している、金融機関が承諾すれば、事故情報を抹消してもらうことも可能です。
※追記:2019年10月1日より、JICCでは、このような登録期間の違いが解消されるようになります。例えば、CICと登録期間を合わせるために、「延滞解消」や、債権回収、債務整理、破産申立、特定調停、民事再生などの「参考情報」は、契約終了後5年間登録されることになります。(契約日が2019年9月30日以前であれば従来通り)
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
-
自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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返信ありがとうございます。
JICCにも、CICにも異動や注意
情報がなかった場合、
楽天の方はカードを申し込みすることは困難だと思いますが、
他のカードは申し込み可能ということですか?
そして、住宅ローンの契約も
通るでしょうか?
どのくらいの延滞があったのかわかりませんが、そもそも楽天カードは強制解約となっているのでしょうか。
信用情報に登録するレベルの「強制解約」は、通常、3カ月以上入金がないといった状態になってからです。
現在,質問者さんが、
・JICCを開示して何ら事故情報が登録されていなかった。
・現在、延滞は解消している。
という状態であれば、他のカードや住宅ローンの申込みに支障があるとは考えられないので、あまり心配しなくても大丈夫です。
こんばんは。
JICCとCICの個信をしらべたのですが
クリーンな場合は、KSCも調べる必要は、ありますか?
KSCを調べる必要がある場合は、どのような場合でしょうか?
御教授いただければ幸いです。
こんにちは。
これは私の私見ですが、JICCやCIC以外に、KSCを開示すべきケースは下記2種類だと思います。
【カードローンやクレジットカード以外に銀行から借入れがある場合】
KSCの正式名称は「全国銀行個人信用情報センター」です。
その名の通り加盟しているのは、銀行、信用金庫、農協など「銀行やそれと同視される金融機関」です。
そのためKSCで確認出来るのは、
・銀行からの各種借入れ
・住宅ローンなど
・銀行カードローン
・銀行発行のクレジットカード
などになります。
この内、カードローンやクレジットカードはJICCやCICにも登録されているので、登録されていないのは、銀行からの各種借入れや一部の住宅ローンくらいです。
なので、カードローンやクレジットカード以外に銀行から借入れがある場合は開示した方が良いでしょう。
【過去に破産や民事再生をした経緯がある場合】
またKSCは、「官報情報」として、破産や民事再生の開始決定を受けた日から10年間登録されています。
JICCでも破産や民事再生の事故情報は登録されますが、発生から5年間しか登録されません。
このため、過去に破産や民事再生をした経緯がある方は、JICCやCICに登録されていなくてもKSCに登録されていることがあるので開示して確認しても良いと思います。
クレジットカード会社からの請求で
延滞してて、解約になってしまいました。そして、心配なので、CICとJICCで情報開示しました。そこには異動情報や注意情報などは載っていませんでした。
なので、解約になったクレジットカード会社に申し込みしたところ、断られました。
これは、異動情報や注意情報に掲載されるほどの延滞はなかったが、そのクレジットカード会社からは社内ブラックみたいにはなってしまったという解釈でよろしいですか?新規のローンを組みたい時は何も問題ないと考えてよろしいですか?
質問ありがとうございます。
クレジットカードの情報はJICCよりもCICにより詳しく登録されているのでCICを基準に説明していきます。
まず、CICの異動情報は、入金予定日より61日以上または3カ月以上入金がなければ登録されることになっているので、情報開示して異動情報がなかったということは、ここまでの延滞はなかったということです。
しかし、CICでは完済後も5年間は完済情報が残ることになっています。
そしてこの情報は、最終24回分の入金状況を含むことになります。
つまり、完済後5年間は、他のローン会社にも、61日以上または3カ月までの延滞はなかったまでも「ルーズな返済」をしていたことはわかってしまうということです。
なので、新しいローン審査で何も影響ないとは言いにくいのが事実です。
しかし、過ぎてしまったことは仕方がありませんし、過去の取引がややルーズであっても完済していれば、カード審査が通る場合もあります。
また消費者金融などカードローンの審査ではほとんど影響することもないでしょう。
あまり気にし過ぎないことです。
10年以上前に数社の借り入れがありましたが、消滅時効の援用をしました。
先日、JICCに信用情報記録を確認したところファイルDの記録はなく、ファイルMには携帯電話の履歴のみでした。
クレジットカードやLINEの少額ローンなども通りません。
どうすれば普通に審査が通過できる状態になるのでしょうか。
よろしくお願い致します。
もんもんさん、質問ありがとうございます。
時効援用後、JICCに開示して、ファイルDの記録はなく、ファイルMは携帯電話のみということですが、それは完済情報にも「延滞」などの事故情報は登録されおらず、表面上、JICC情報は問題ないはずという理解でよろしいでしょうか。
クレジットの審査が通らないのは次の2つの可能性が考えられます。
①CICに事故情報が登録されている
消費者金融など貸金業者からの借入れについては、JICCとCICで情報共有していますが、クレジットカードでの買い物などのローンについては、CICだけに登録されていることがあります。
なので、JICC情報が問題なくても、CICで事故情報が登録されたままの可能性があります。
CICも開示してみることをおすすめします。
質問者さんは時効援用したとのことですが、時効援用後も完済情報に5年間は事故情報を掲載する業者もあります。
この場合は事故情報抹消されるまで5年間待つしかないのですが、ダメ元で、CICを通して情報の抹消依頼をしてみてもよいと思います。
②社内ブラックとなっている
クレジットの審査が通らないのは、信用情報上の問題ではなく、社内ブラックとなっているからかもしれません。
いくら信用情報上問題がなくても、自社やグループ会社で貸し倒れになった顧客から申込みがあっても審査を通すことはないはずです。
※尚、当サイトの以下の記事も参考になると思います。
時効が成立している借入れについて信用情報の「事故情報」を抹消したいのですが。
ご回答ありがとうございます。
時効援用を行ったのが10年以上前なのですが、その場合でも事故情報というのは残っている可能性はあるのでしょうか。
一応、CICでも信用情報記録を確認してみようと思います。
もんもんさんへ返信です。
時効援用後10年も経過していれば、JICCであれCICであれ、通常、「事故情報」が残っていることはあり得ません。
CICを開示して、もし時効援用した債権に「事故情報」が登録されていたら、CICを通して業者に削除依頼をすることも可能です。
しかしCICの登録に事故情報もなく全く問題がないようであれば、やはり社内ブラック的な要因かもしれません。
ありがとうございます。
ではCICでの確認をしてみます。
ちなみに「社内ブラック」というのは期限などはないのでしょうか。
もんもんさんへ返信です。
この案件が社内ブラックとは断定出来ませんが、社内ブラックだった場合は、その会社でのローンについては半永久的に困難かもしれません。
(融資や返済の記録の保存期間は完済後10年としている会社が多いのですが、実質、永久保存となっているケースがほとんどです。)
金融機関の目線でも、やはり、過去、自社で、時効援用で貸し倒れになった方の審査はなかなか通しにくいものがあります。
但し、その会社と全く関係がない金融機関であれば普通に審査が通る可能性はあります。
なぜ、キャッシングによる借り入れ件数と借入額が多いとなぜショッピングローン審査に影響があるのですか?審査は別物じゃないんですか?ショッピングローンは割賦販売法で、キャッシングは貸金業法での審査と聞いたことがあります。
延滞事故や長期延滞は過去にありません。これでは車も買えない。
はじめまして。
ご指摘のように、ショッピングローンは割賦販売法、キャッシング(銀行カードローンは除く)は貸金業法がそれぞれ適用され、審査は別物という認識は間違いではありません。
それぞれ、審査の核となるのは、
・キャッシング:「総量規制調査」
・ショッピング:「支払可能見込額調査」
ですが、総量規制の対象となる借入れはあくまで貸金業者からのキャッシングの借入れのみですし、支払可能見込額調査の対象となる借入れもショッピングローンのみです。
しかし、あくまでキャッシングの審査もショッピングローンの審査も最終的には総合的に判断されることになります。
そのためいくら総量規制に抵触しなくても、ショッピングローンの借入れがあまりに多すぎればキャッシングの審査に影響することもありますし、いくら支払可能見込額調査が問題なくてもキャッシングの借入れがあまりに多すぎればショッピングローンの審査に影響することもありえるということです。
ただ、私の感覚では、キャッシング審査にショッピングローンが与える影響や逆にショッピングローンの審査にキャッシングが与える影響はそれほど大きくないという認識です。
過去に支払い遅れもないのであれば、審査が通過する信販会社があるかもしれません。
尚、キャッシングとショッピングローンの審査の違いにつては、以下の記事に詳しくまとめてあるので参考にして下さい。
(※参考記事:キャッシングとショッピングの審査の違い)
こんばんは。
JICCにある注意情報に関してですが、注意情報が消えた場合には、他に異動情報がない場合は、審査に影響かあるネガティブな内容は、あるのでしょうか?