キャッシングの契約形態は主に次の2種類になります。
・・定められた限度枠の範囲で入金(返済)と出金(借入れ)を繰り返し利用可能な契約。
②分割(一括)払い契約(「証書貸付け」)
・・借入れ後は完済するまで返済のみの契約。
一旦、融資を受けた後は返済するだけの証書貸付けが、いわば「点の契約」であるのに対し、繰り返し利用できるリボルビング契約は「線の契約」と言えます。
利便性はリボルビング契約の方が圧倒的に勝るので、現在、多くのキャッシング会社がリボルビング契約を採用しており、「キャッシング」といえば普通は「リボルビング契約」のことを指します。
このように便利なリボルビング契約ですが、完済する時もちょっと特殊です。
【完済には「包括残高0円」と「契約解除」がある】
このリボルビング契約を利用していて完済となった場合、その処理方法は次の2種類があります。
・・残高0円のまま契約は続行する。カードや契約書はそのまま利用。
②契約解除
・・契約を解除して、カードや契約書は返却か破棄処分。
どちらの方法が良いかということは人それぞれ立場や事情が違うので一概には言えません。
一応、以下にそれぞれの特徴をまとめました。
※包括残高0円
包括残高0円は、お金が必要な時に再契約することなく、いつでも引き出し可能な状態になっているということが大きなメリットです。
急な出費の時などは、最寄りの専用ATMや提携ATMからすぐに引き出しができるので、「契約続行しておいてよかった」と思うことも多いと思います。
しかし、引き出しすることにストレスがかからないという便利さは、安易に借入れを再開してしまうといった、デメリットとも背中合わせです。
指定信用情報機関に記録されている情報に関しても、「包括残高0円」ということで、いつまでも残ってしまい、キャッシングをした経歴は抹消されません。
また、あくまで契約は続行しているということになるので、3年~5年に1回、キャッシング会社に収入証明の提出をしないと利用できなくなります。また、キャッシング会社の都合で、突然引き出しができなくなってしまうことも有り得ます。
※契約解除
契約解除は、契約を終了させるということです。
このためまたお金が必要になってキャッシングをしようとする時は、再度、キャッシング会社に申込みをすることが必要になります。
再申込みは、(申込み)~(審査)~(契約証書の取り交わし)など、新規申込みとほぼ同等の手間がかかります。
実際に、前回の契約で支払遅れもなく、負債も増加していないのに、再度の申込みで否決になったという話はよく耳にします。
尚、契約解除した場合、指定信用情報機関の情報は、「完済後5年間」で完全に抹消されます。
【包括残高0円はメリットが大きい】
通常、完済した場合、契約者は、どちらの処理方法をするのか選択できます。
(場合によっては、キャッシング会社に包括残高0円での処理を認めてもらえず、強制解除となってしまう可能性もあります。)
前述したように、どちらの処理を選択するかは、人それぞれですが、相対的に「包括残高0円」のメリットの方が大きいと思われます。
契約解除はいつでも出来るので、次回、利用する予定がない人も、しばらくは、契約続行させておく方が、後悔が少ないかもしれません。
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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