データーからわかるキャッシング業界の傾向

株式を上場している大手消費者金融は、公式ホームページ上で、決算やデーターを公表しています。

しかし、せっかくデーターが公表されていても、この情報を活用している人は、意外と少ないのではないでしょうか。

なにぶんにも企業が公表しているものなので、下手な「情報サイト」で得た情報よりも、信用出来ることは間違いありません。

また、大手数社のデーターをチェックすれば、業界のおおよその傾向もわかってきます。

今回は、大手消費者金融のデーターから、特にわかりやすい項目をピックアップして、業界の傾向を探ってみたいと思います。

※尚、当サイトではわかりやすくするため、表にしていますが、データーの集計方法などは各会社によって異なっており単純比較は出来ません。
よって、今回分析した大手消費者金融会社の社名はあえて伏せております。
(数値は、各社の2017年3月末時点のデーターと公式ホームページで公表されている数値を参考にしています。)

ライターから一言
キャッシング業界を分析するには、下手な「情報サイト」の情報よりも、各社が公表しているデーターを紐解くのが一番確実です。

 

【いくらくらい利用する人が多いか】

消費者金融は、「小口の無担保融資」というイメージが強いと思いますが、利用者は、いくらくらいの額を利用しているのでしょうか。

 

 

大手AI社が他社に比べて10万円以下の取り扱い件数が多いなど、各社それぞれ特色はあるものの、10万円超50万円以下で、全体の50%ほどを占めており、この辺りの利用金額が最も多いということがわかります。

また、大手でも貸付け金額が100万円を超える利用者が、全体の2割にも満たないというのは、意外かもしれません。
大手で100万円以上の限度枠が設定されている人は、かなりの優良顧客ということになるでしょう。

 

【キャッシングの男女比率は】

 

 

これは、各社、大体同じような比率で、概ね、7対3といったところです。

やはり、男性の利用が圧倒的に多くなっています。

約30%の女性の利用を、多いとみるか少ないとみるか意見が分かれるところだと思います。

 

【何歳くらいの人の利用が多いか】

 

 

データーからは、30代、40代の利用が、全体の約50%を占め、多くなっていることがわかります。

やはり、この年代が、働き盛りであるとともに、子供の養育、教育など、生活にもお金がかかる年代であるからでしょうか。

50代で利用者はグッと少なくり、60歳以上の利用は各社15%未満になっています。

 

【利用者の年収はどのくらい】

キャッシングを利用する人はどのくらいの年収の人が多いでしょうか。
各社、集計基準が違っているので、別々の表で確認してみましょう。

 

 

 

年収200万円に満たない人の利用も意外と多いことがわかります。

一概には言えませんが、パート、アルバイトなど非正規雇用の人の利用者が多くなっているのかもしれません。

また、ある統計によると、日本の労働者の年収分布は、

年収200万円未満・・23.58%

年収200万円以上500万円未満・・47.89%

という報告もあります。

キャッシング利用者の年収分布も、ほぼ、一般の労働者の年収分布と変わりがありません。

 

【各社のデーターを見てみよう】

今回、こちらで紹介したデーターはほんの一例です。
データーを見ることで、他にも様々な業界動向を探ることが出来ます。

最近では、いわゆる「情報サイト」も単なる宣伝目的のものが多く、本当に信用に足る情報かどうか、あてにならないこともあります。

各社データーを自分自身で比較分析し、その情報の裏付けをとることが、一番、信頼できる方法です。

興味がある方は、是非チャレンジしてみて下さい。

投稿者プロフィール

ShibataMasaru
ShibataMasaru金融専門記者
自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。

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