借金苦による自殺について

非常に残念なことですが、借金を苦にして、自ら命を絶ってしまう人が一定数います。
しかし、はっきり断言しておきますが、
「借金を理由に自殺までする必要は全くありません。」
キャッシングの利用を検討するなら、このことは是非、肝に銘じておいて下さい。
このことを理解して頂くためにも、今回は、「借金苦」での自殺という、ややタブーな内容についてまとめてみました。

ライターから一言
予期せぬ生活状況の変化で返済が困難になってしまうことは誰にでもあり得ます。
また追い詰められた状態では冷静な判断が出来なくなります。
そんな時は、一人で抱え込まず早めに弁護士・司法書士などの専門家か、日本貸金業協会相談窓口「貸金業相談・紛争解決センター」に相談して下さい。

 

【自殺者は減少傾向】

厚生労働省の統計によると、平成28年中の自殺者は、21,897人となっています。
そのうち、いわゆる「借金苦」の関連は、原因、動機がはっきりしているものだけで、

・負債(多重債務)・・604人
・負債(連帯保証債務)・・17人
・負債(その他)・・588人
・借金取り立て苦・・37人
合計・・1,246人

となっています。

また、原因が、倒産、事業不振、生活苦などを含め、「経済・生活問題」に起因するものまで広げると、3,522人になります。

この数値を多いと捉えるか少ないと捉えるかは、様々な意見があると思いますが、平成19年中に「経済・生活問題」で自殺した人が、7,318人であり、それと比較しても、実に約48%と激減しています。
また、前年度比も7年連続でマイナスとなっており、全体として減少傾向にあることは間違いありません。

 

【借金苦自殺が減少した理由】

前述したように、統計上は借金苦に限らず、自殺者は全体的に減少傾向にあります。その原因については、経済成長、失業率などの観点から様々と言われておりますが、借金苦については、以下のような取り組みも大きかったと思われます。

・「過払い金返還ブーム」で、借金問題を積極的に取り扱う、弁護士、司法書士が増えた。
・業者の取り立て行為の規制が厳しくなった。
・改正貸金業法施行により、総量規制が導入され過剰貸付けが抑制された。
・ヤミ金対策に行政が力を入れている。

特に消費者金融は、過去、その過酷な取り立て行為が社会問題化していた時期もありましたが、現在は、大手に限らず、中小業者でも、正規登録業者であれば、取り立て行為は自粛をした内容で行っています。
そもそも、そのような問題を起こせば、業務停止となるリスクが非常に高く、それで回収できる金額と比べても全く割に合いません。

 

【自殺者は男性が圧倒的に多い】

自殺する原因を「経済・生活問題」とする人が、平成28年中で、3,522人いることは、先に述べましたが、そのうち、3,113件が男性で、実に88%以上を占めています。

もともと、キャッシングの利用者自体も、約7対3の割合で、男性の方が多いということもありますが、自殺をするのは、圧倒的に男性が多くなっています。

金融業務に携わっていると、残念ながら、「顧客の自殺」という場面に遭遇することもありますが、筆者の経験では、女性顧客の自殺者には遭遇したことはありません。

もちろんこれは、統計ではなく、筆者の実感としてのことです。
しかし、よく、「男性の方が、メンタル的に弱い」とか、「男性の方が悩みを抱え込む」など言われていますが、あながち間違いではないようにも思えます。

 

【契約にリスクはつきもの】

借金は、「金銭消費貸借契約」という契約ごとです。業者としても不履行の場合は、法に基づいて、回収措置を講じれば良いだけの話で、本来、その過程で、暴言を浴びせたり、人格否定をすることは許されることではありません。
(契約にリスクはつきものです。そもそも貸金業者は、そのような不良債権リスクを見越して、高い金利を設置しています。)

しかし、世間では、契約を履行出来ないことに必要以上に負い目を感じる人が多くいます。また、履行されない場合は、暴言を浴びせたり、人格否定のような発言をしても許されると思っている人も多くいます。
倒産した企業の社長などが、債権者に土下座を強いられるなどは、その最たる例でしょう。

ある程度の、自己反省はもちろん必要なことですが、必要以上に自分自身を追い込まないようにしましょう。
良い意味で開き直るくらいの気持ちを持つことも大切です。

 

【借金問題は解決出来る】

借金問題で悩んでいる時は、精神的に追い込まれているので、自分では冷静な判断が出来なくなっていることが少なくありません。
そのような時は、第三者機関や、法律の専門家に相談することも必要です。
具体的には、貸金業界の自主規制機関である、「日本貸金業協会」に相談したり、弁護士、司法書士に債務整理の受任をしてもらうということです。

相談することで、悩んでいた、借金問題が一気に解決することも珍しくなく、もっと早く相談しておけばよかったと思う人も多くいるようです。

※日本貸金業協会では、相談窓口として「貸金業相談・紛争解決センター」を運営しており、相談も無料ですることが出来ます。

また、場合によっては、紛争解決手続(ADR)を申立てて、センターが業者との間に入り、和解を促進してもらうことも可能です。紛争解決委員は、弁護士や認定司法書士が選任されますし、個人で弁護士、司法書士に依頼をするより費用も少額で済みます。

投稿者プロフィール

ShibataMasaru
ShibataMasaru金融専門記者
自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。

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