キャッシングの種類 その②消費者金融

キャッシングは、大きく次の2種類に分類できます。
 

①銀行からのキャッシング
・・銀行カードローンなど(銀行法が適用される)

②貸金業者からのキャッシング
・・消費者金融、クレジットカードでのキャッシングなど(貸金業法が適用される)

 
どちらも使途自由のフリーローンがメイン商品で、商品性もほぼ変わりありませんが、適用される法律が違うのが大きなポイントです。
それぞれの特徴をまとめてみました。

 

ライターから一言
いまどきの消費者金融は昔の「サラ金」とは全然違います。
スピード融資に長けているので、いざという時かなり便利です。

 

消費者金融

【消費者金融の健全化】

消費者金融はかつて、「サラ金」と呼ばれ、その高金利や乱暴な取り立てによって自殺者がでるなど社会問題化していた時代がありました。

しかし、昭和58年に「貸金業の規制に関する法律」が成立し、それまで届出制であった貸金業者は登録制になり、「取立規制」「書面交付義務」などの規制が設けられ、また、金利についても、当時109.5%であった出資法上限金利を段階的に引き下げることも決まりました。

貸金業規制法は、その後、何度か法改正を経て、現在の貸金業法につながっています。

現在の貸金業法では、上限金利は20%まで引き下げられ、総量規制という、年収の3分の1を超える貸付け制限も設けられました。また登録に必要な純資産の額も5,000万円まで引き上げられるなど、業界の健全化が進んでいます。

 

【過払い金返還問題】

また、現在の改正貸金業法施行以前は、利息制限法上限金利を超えても、出資法上限金利の範囲内であれば、顧客が任意で支払った場合であれば有効な支払いとみなすとされていて、消費者金融は、利息制限法上限金利と出資法上限金利の間の金利帯(いわゆる「グレーゾーン金利」)で営業していました。

しかし、その任意性を立証することは、かなり厳格で、事実上不可能でした。

そのため、弁護士、司法書士、裁判所などを経由した契約は、過去に遡り、利息制限法金利で再計算されることになりました。

その再計算の結果、消費者金融が顧客に払い過ぎた分を返却するような事態まで発生することになり、その返還金が業者の経営を大きく圧迫するようになりました。

これを「過払い金返還問題」といいます。

この返還金に耐え切れず、資金力のない、中小業者は廃業や業務縮小に追い込まれることになりました。

 

【消費者金融の特徴】

これら、数々の法改正や過払い金返還問題により、悪質業者や資金力のない業者は淘汰されたので、(平成18年度末で業者数は11,832社ありましたが、平成27年度末では1,926社と6分の1以下にまで減少しています。)現在、活躍している業者は、安全性の高い、健全経営の会社に凝縮されたとも言えます。

また、消費者金融は、消費者ローンに対しては、長年、蓄積されたノウハウがあるので、「簡易な審査でスピードキャッシング」というコンセプトには、銀行融資よりも一日の長があり、サービス面も充実しています。

消費者金融の主な特徴は以下のようなものがあげられます。
 

① 借入れは原則、年収の3分の1まで

消費者金融は総量規制の適用を受けるので、使途自由のフリーローンの場合、原則、年収の3分の1を超える場合は、貸出しをすることが出来ません。

このため、既に借入れが年収の3分の1を超えていたり、それに近い借入れがある場合は、新たに融資を受けることは出来ません。
また、無職無収入の専業主婦への貸出しは、本人だけの審査では不可能です。(例外として、配偶者の同意を得れば、配偶者と合算して(二人分の)借入れが(二人分の)年収の3分の1までの範囲であれば借入れを行うことが出来ます。)
 

② 各種サービスが充実

消費者金融業者は、「無担保、無保証の小口融資」に関して、長年のノウハウがあります。よって、この方面でのサービスは現在、大手を中心にかなり充実した内容になっています。

もちろん会社によって、サービス内容は異なりますが、主だったもので、以下のようなものがあります。
 

・即日融資の実施

・無利息サービスの実施

・専用ATM、提携ATMが充実している

・WEB上で、振り込み予約、契約状況の確認、書面交付などが可能

 
また、近年では、
・電話、郵送でのやりとりが全くない完全WEB完結システムの実施
といった、新たなサービスに対する取り組みも始まっています。
 

③ 増額で高額融資も期待できる

消費者金融は、「簡易な審査でスピード融資」という特性上、リスクヘッジのため、初回融資は50万円ほどを目安に融資額を少額に抑えている会社が多くあります。

そのかわり、返済を遅れずに、取引実績を積めば、増額で思わぬ高額融資が可能となるケースも珍しくありません。
改正貸金業法施行後は、総量規制の適用があるので、優良顧客には、競合他社より先に、総量規制の範囲目一杯の融資をする傾向が強くなってきています。

その結果、半年ほどの取引で、利用限度額が50万円から100万円を超えることも珍しくありません。

 

【消費者金融はこんな人におすすめ】

このように消費者金融は、長年蓄積されたノウハウにより、「無担保無保証のスピード融資」に特化しています。このため、出来る限り早めの融資を希望する人にはおすすめです。

他にも、
 

・無利息サービスを実施している会社への申込みは、短期利用を検討している人は、実質、無料で利用できる可能性もあるのでおすすめ。

・生活県内に専用ATMや提携ATMがある人は、借入れした後の、入金、出金も便利なのでおすすめ。

 
ということもあげられます。

また、銀行カードローンなどで既にある程度の利用があっても、総量規制に抵触しない範囲であれば、比較的融資を受けやすいといった特徴もあるので、既に銀行カードローンなどでキャッシング利用のある人にもおすすめです。

投稿者プロフィール

ShibataMasaru
ShibataMasaru金融専門記者
自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。

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