クレジットカードは、一般的に、販売店で商品を購入したり、サービスの提供を受けるときに利用する、「ショッピング」のイメージが強いと思われますが、キャッシングをすることも可能になっている場合があります。
最近では、キャッシング枠がついたクレジットカードも多く、その場合、同じカードで、ショッピングとキャッシングの両方に対応しています。
【ショッピングとキャッシング】
「クレジットカードでのショッピング」と「クレジットカードでのキャッシング」では適用される法律も監督官庁も異なっています。まとめると以下のようになります。
・・割賦販売法が適用(経済産業省が監督)
●クレジットカードでキャッシング
・・貸金業法が適用(金融庁が監督)
利用者にしてみれば、ショッピングもキャッシングも同じ負債という認識の人も多いと思いますが、ショッピングとキャッシングでは、このように法律も所轄行政も違う、全く別種類のものということになります。
また、返済能力調査を行う際に義務付けられている調査も以下のようになっています。
●キャッシング・・総量規制調査
ショッピングの場合に基準となる支払可能見込額調査についての解説はここでは割愛しますが、ショッピングとキャッシングではそれぞれまったく異なったアプローチの調査が行われています。
クレジットカードでのキャッシングは消費者金融と同じく総量規制の適用があるので、年収の3分の1を超える借入れとなるキャッシングは出来ません。
また、その他、書面交付義務や取り立て行為の規制等、貸金業法で定められている内容は適用を受けることになります。
【クレジットカードはショッピングがメイン】
このように最近のクレジットカードはキャッシング枠がついているカードも多いのですが、あくまでクレジットカードのメイン業務は「ショッピング事業」です。「キャッシング事業」はあくまで補助的な業務という立ち位置になります。
このためか、
②利息は15~18%と法的利率ギリギリの会社が多い
③商品バリエーションが乏しい(おまとめローン、不動産担保ローン等がない)
④返済方法が限定されている(口座引き落とし)
⑤無利息期間などのサービスはほとんどない
など、各種サービス面においては、銀行カードや消費者金融と比較して明らかに見劣りします。
反面、ショッピングに関しては、ポイントがついたり、翌月一括やボーナス一括の場合は手数料が無料になっていることも多く、サービス面は充実しています。
【キャッシング枠を確認しておく】
現実的にもクレジットカードはショッピング目的でつくる人が多く、最初からキャッシングを目的としてカードをつくる人は少ないと思われます。
そのためか、自分自身のクレジットカードにキャッシング枠があるのかないのかをよく把握していない人も多くいます。
しかし、もしお手持ちのクレジットカードにキャッシング枠がついていれば、急な出費の際にも新たに消費者金融等に申込みをする必要はないので、キャッシング枠については普段から確認しておくと良いでしょう。
最初からキャッシングを目的として、長期利用を前提とした場合は、銀行カードや消費者金融の利用をおすすめします。
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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