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【出来れば1件目の増額で】
まず最初に申し上げておきたいことは、当サイトでは、基本的に複数の業者から借入れすることはあまり推奨していないということです。
確かにキャッシングはいざという時、非常に便利ですが、それに頼り過ぎてしまうのは非常に危険です。
筆者は過去、金融会社に勤務経験があり、安易に借入れ件数を増やして、いわゆる「多重債務」の状態になっている人を何人も見てきました。
借入れ件数が増えれば、負債額が同じでも月々の返済額は大きくなってしまいます。
いまどきは、毎月、遅れずに返済を継続していれば、100万円以上の限度枠を出す会社も多くあります。
【2件目以降は審査の着眼点も変わる】
どうしても増額が出来ない場合には、新しい借入れ先を探すことになりますが、その際は初めてキャッシングしたときとキャッシング会社を選ぶ着眼点も変わってきます。
①総量規制がより重要になる
総量規制とは、改正貸金業法施行によって導入された規制のことで、貸金業者に原則、年収の3分の1を超える貸出しを制限したものです。
これは、消費者金融などの貸金業者が対象の法律なので、銀行カードローンには適用されていません。
そのため、おおよそ次のような傾向になります。
2件目は、銀行でも消費者金融でも審査可能。(ただし、消費者金融の場合、無職は不可)
2件目は、銀行は審査可能だが、消費者金融からは、年収額の3分の1の金額から、1件目の借入先の借入額を引いた金額しか借入れはできません。
もし、1件目の借入額をひいて、残らなかった場合は、消費者金融からは法律上借入れできないので、消費者金融に申し込むという選択肢は消えます。
しかし、近年、銀行カードローンの過剰貸付けが問題視されつつあるので、今後は銀行も総量規制を留意するような審査になってくる可能性もあります。
②1件目の借入れのクレジットヒストリーが審査のカギ
2件目の借入れ先に申込みをすれば、その審査で、指定信用情報機関を利用した返済能力調査が行われます。
その際、1件目の借入れ先での取引の状況は先方に把握されることになります。
例えば、貸金業法に基づく指定信用情報機関である、㈱日本信用情報機構(JICC)では、1件目の借入れの、契約の本人確認書類、契約日、貸付日、契約金額、貸付金額等から、入金日、入金予定日、残高金額、完済日、延滞に関する等、ことまでかなり詳細に把握されることになります。
このため、もし、1件目の借入れが延滞中であればもちろん、月々の返済が遅れがちであった場合も審査は通過しにくくなります。
逆に、1件目の借入れの返済が、毎月遅れることなく履行されていれば、2件目の審査でも評価されるので、通過しやすくなります。
【借入れは3件までがリミット】
かつて、大手消費者金融の間には、「3件規制」という自主ルールがあったと言われています。
これは、3件目までは融資可能だが、4件目の申込みは貸出しをしないようにした自主規制のことです。
この3件規制は、かつての消費者金融大手5社(武富士、アコム、プロミス、三洋信販、アイフル)が結成した、消費者金融連絡会という組織で、運用されていたとのことですが、元社員に取材しても、あったような、なかったような、あまり明確な回答はありませんでした。
まあ、あくまで目安程度で、それほど厳格に遵守するよう求められていたわけではなかったのでしょう。
もちろん、いまどきの審査ではそのような画一的な件数規制の基準は有りません。
しかし、この3件規制は、それほど的外れなルールとも言えません。
“銀行カードローン3件、消費者金融3件まで”の借入れが、銀行や大手消費者金融の審査が通過する借入れの限度と考えていてもあながち間違いではないからです。
多重債務に陥らないためにも、わかりやすい3件規制は、自分自身の掟にしておいても良いでしょう。
(これ以上の借入れは、大手ではなく、中小クラスの消費者金融会社に申込みをしなければ審査はなかなか通らないでしょう。)
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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