キャッシングの申込みを検討している人にとって、いったいどのくらいの人が審査に通るのかは非常に気になるところです。
これを計る目安として、一般的に「承認率(可決率)」という数値を用いています。
承認率(可決率)は以下のような簡単な数式で算出され、申込みをした人に対する契約成立した人の割合を示しています。
※承認率(可決率)=新規契約件数÷新規申込み件数
例えば、承認率が50%ということは、単純に2人に1人は契約成立しているということです。
では、各キャッシング会社の承認率はどうなっているのでしょうか。
上場している会社であれば、決算に関するデーターをネットでも公表しているので、誰でも確認することが出来ます。
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【大手消費者金融の承認率(可決率)】
上場している会社であれば、決算を公表しているので、決算に関するデーターとして、承認率を確認することが出来ます。
そこで大手消費者金融の代表として、アコムとプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)をチェックしてみました。
♦アコムの場合
※2015年3月決算
・新規申込み件数:462,502件 ・新規契約件数:218,706件 ・承認率:47.28%
※2016年3月決算
・新規申込み件数:462,434件 ・新規契約件数:221,791件 ・承認率:47.96%
※2017年3月決算
・新規申込み件数:501,950件 ・新規契約件数:234,838件 ・承認率:46.78%
このように、過去3年間、承認率は50%弱で安定しています。また、申込み件数も微増であり安定感があります。2018年度の承認率も大幅に変わることはないことが予想されます。
●追記
2018年度以降の承認率は、申込み件数が極端に増えてきているので、単純比較は出来ませんが以下のようににやや下降気味です。
※2018年3月決算
・新規申込み件数:539,919件 ・新規契約件数:242,008件 ・承認率:44.82%
※2019年3月決算
・新規申込み件数:579,116件 ・新規契約件数:255,080件 ・承認率:44.04%
♦プロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)
※2015年3月決算
・新規申込み件数:約464,720件 ・新規契約件数:191,000件 ・承認率:41.1%
※2016年4月決算
・新規申込み件数:471,264件 ・新規契約件数:205,000件 ・承認率:43.5%
※2017年3月決算・新規申込み件数:470,862件 ・新規契約件数:202,000件 ・承認率:42.9%
プロミスも過去3年間、承認率は横ばいで安定しています。アコムと比較してやや低めですが、承認率は安定感があり、2018年度も予想はしやすいと思います。
●追記
プロミスの2018年度以降の承認率は、上昇傾向で、アコムのそれを抜く結果になっています。
いずれも、申込み件数が増加傾向にあるのが特徴です。
※2018年3月決算
・新規申込み件数:494,505件 ・新規契約件数:225,000件 ・承認率:45.5%
※2019年3月決算
・新規申込み件数:557,522件 ・新規契約件数:252,000件 ・承認率:45.2%
このように見ると、一見、プロミスよりアコムの方が審査に通りやすいと考えがちですが、
各社、同じ条件で集計した数値かどうかはわかりませんし、また、アコムの方がプロミスよりも総融資残高は高く、申込みをしてくる客層の違いも微妙にあるので、一概にそのような判断は出来ません。
まあ、ざっくり、「大手消費者金融の承認率は40%~50%ほど」という認識では問題ありません。
【銀行カードローンの承認率(可決率)】
銀行カードローンの承認率は、公表されていないので、正確にはわかりません。
但し、申込みをする優先順位としては、消費者金融よりも上位にくると思われますし、貸金業法の適用がないことからも、筆者の見込みでは、これまでの銀行カードローンの承認率は消費者金融よりもかなり高かったと考えています。
ただし、最近になって、銀行カードローンの過剰融資が問題視されてきており、全国銀行協会も各行の過剰融資防止策を調査しているとの発表もありました。(2017年5月18日)
このため、2018年度は、これまでよりも承認率は、低くなることが予想されます。
過剰融資が社会問題化すれば、消費者金融業界のように、法律での規制が入りかねません。
ある程度の自主規制を設けることは、健全な業界の発展のためにも、やむを得ないことでしょう。
もちろん、下がるといっても、大手消費者金融の目安である、40%~50%は維持してくると思われます。
【中小消費者金融の承認率(可決率)】
大手消費者金融の承認率が40%~50%ほどなのに対し、中小消費者金融の承認率は、10%に満たないことがほとんどです。
むしろ7%を超えれば高い方と言えるでしょう。
これも、各社が正式に公表しているデーターはありません。
しかし、当サイトの姉妹サイトでは、何年も中小消費者金融業者の動向を調査しているので、ほぼ間違いない数値になっていると断言できます。
大手に比べてここまで承認率に差があるのは、大手と中小では、申込みをする客層の違いがあります。
大手や銀行が初めてキャッシングを利用する人を含めて、借入れ件数が比較的少ない人の申込みが多いのに対して、中小業者へ申込みをする人は、既に複数の業者から借入れがある人や、過去に自己破産や債務整理をしている人など、大手での利用を断られた人達が中心になります。
また、他社が延滞している人などが、ダメ元で申込みをすることも多く、承認率は、どうしても低くなってしまいます。
また、中小消費者金融の承認率は、上がったり下がったりと、かなり波が激しいことが特徴です。
これは、
①大手のような、「オートスコアリングシステム」と呼ばれるコンピューター審査を導入していないことが多く、審査担当者によって、審査にムラが発生しゃすい。
②資金力が乏しいので、資金調達の具合によって承認率が左右されやすい。
ということが原因として考えられます。
【実際の承認率は高い】
大手消費者金融の目安となっている40%~50%を低いと感じる人もいるかもしれませんが、そう悲観することはありません。
なぜかと言えば、当サイトで、実際のキャッシング業務経験者にインタビューしたところ、
“40%~50%の承認率を維持するためには、実際の審査では70%程の可決が必要となってくる!”という回答がありました。
例え、可決を出しても、一定数、キャンセルする人や、連絡が途絶え、キャンセル扱いとなる人が出てきます。
40%~50%は、そのようなことを含めた中での数値なので、実際の審査では、もう少し高い数値で承認をしているはずです。
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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