かつてのキャッシング市場は、消費者金融会社が中心となって、女性専用のレディースローンの商品を展開していました。また、その中で、無職無収入のいわゆる「専業主婦(主夫)」への貸付けも積極的に行われていました。
しかし、平成22年6月に完全施行された改正貸金業法では、「総量規制」という、原則、年収の3分の1を超える貸付けを禁止する制度が導入され、現在は、消費者金融の専業主婦(主夫)への貸出しは、かなり困難な状況になっています。
では、専業主婦がキャッシングすることは全く出来ないのでしょうか。
今回は、専業主婦のキャッシングについてまとめてみました。
【配偶者の同意を得る】
消費者金融を利用する場合は、前述した、「総量規制」という年収の3分の1を超える貸付け制限の適用があります。
しかし、配偶者の同意を得ることが可能であれば、無職無収入の専業主婦でもキャッシング出来る可能性はあります。
それは、一般的に「配偶者貸付」と呼ばれる方法で、総量規制の例外として、配偶者と合算して(二人分の)借入れが(二人分の)年収の3分の1までの範囲であれば借入れを行うことが出来るといったものです。
この場合は、
② 配偶者との婚姻関係を示す書類(住民票や戸籍謄本など)
③ 配偶者の年収を証明する書類(一定金額以上)
が必要になります。
また、「おまとめローン」などの総量規制の例外規定で融資を受けるという方法もありますが、“使途自由”ということを前提にした場合、無職無収入の専業主婦が消費者金融でキャッシングするには、今のところこの「配偶者貸付」しか方法しか手段がありません。
※追記(2019年7月15日)
たまに「専業主婦も可」として宣伝している消費者金融を見かけますが、あれは、“基本が専業主婦でも、パート、アルバイトなどで安定した収入がある方”を対象としたもので、全くの無職無収入の方は対象外なので注意して下さい。
【銀行カードローンの利用は可能か】
無職無収入の専業主婦がキャッシングする方法としては、かつて「銀行カードローン」を選択すると手法がありました。
総量規制は貸金業法で定められた制限です。銀行法が適用される、「銀行カードローン」はその対象外だからです。
しかし、最近では、銀行カードローンの過剰融資が問題視されたことを受けて、銀行も自主ルールで、「専業主婦でも可能」や「総量規制の対象外」といった表現を自粛しています。
また、銀行カードローンも適用外であると言え、総量規制を尊重するというスタンスを採っているので、利用限度額を少なめに抑えるなど、一定の制限を設けている会社が多いようです。
このあたりの基準は、各銀行によって異なるので、確認をしてから、申込みをするほうが良いでしょう。
【狙いはレディースローン!?】
※追記(2019年7月16日)
このように、現在の法律ではなかなか専業主婦への融資は困難になっていますが、出来る限り女性に訴求しようとしているキャッシング会社もあります。
「レディースローン」など女性専用商品を設けている会社がそうです。
キャッシングの男女比はおおよそ7対3ということもあり、女性客の獲得は新たな市場開拓につながります。
また、昔から消費者金融業界では、“女性の方が無理をせず真面目に返済する傾向が強い”と言われています。
もちろん、消費者金融の場合は全くの無職無収入ではダメですが、レディースローンを設けている会社は女性客を取り込みたいという方針の会社であることは間違いありません。
(参考記事:レディースローンについて)
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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