最近では、雇用形態が多様化していて、アルバイト、パート、派遣社員、契約社員等、「正社員」ではない方の割合が増えてきています。
このような世情はカードローンの審査にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。
今回、詳しく解説していきたいと思います。
このような時代に合わせてカードローンの審査基準も徐々に変化してきています。
【いまの「働き盛りの世代」は損をしている!?】
2019年5月26日の朝日新聞に、「ロストジェネレーション」と呼ばれる、バブル崩壊後の就職氷河期にあたる1993年から2004年ごろに社会に出た世代(年齢で言えば、現在、33歳から48歳)の不安定雇用が未だ解決せず、社会不安になっているとの記事が掲載されていました。
この世代は、不況の影響で正社員の入り口が絞られ、非正規雇用が拡大したため、他の世代に比べ賃金が低く、貧困に落ち込んで、いまだに立ち直りのきっかけをつかめない人も多くいます。
総務省の労働調査によると、雇用者における非正規社員の割合は、2008年当時の25歳から34歳で25.6%でしたが、同世代の10年後にあたる2018年の35歳から44歳は28.8%とさらに悪化しているとのことです。
33歳から48歳と言えば、まさに働き盛りであり、カードローン会社がターゲットにしている年齢層にドンピシャの世代です。
現在の、25歳から34歳は、就職市場も好転し、改善傾向にあるようですが、いまどきの働き盛りの世代は、他の世代に比べて、「損をしている」かっこうになっているようです。
【正社員の価値がUP!】
正社員の割合が低くなってきているということは、相対的に「正社員」であることの価値が高まっているということです。
ひと昔前のカードローンの審査は、非正規雇用の方は、属性審査で減点対象になっているとも言われていましたが、現在は、むしろ“正社員が加点対象”になっていると言ったほうが適当かもしれません。
いまどきは「正社員」であることは、かなりのアピールポイントになることは覚えておいたほうが良いでしょう。
【非正規雇用は、いまどきは普通のこと】
ひと昔前は、正社員でないと、なかなか融資をしてもらえない時代もありました。
正社員として働いていなければ、「一人前」として見てもらえないという「偏見」があったのも事実です。
しかし、最近は、このような世情を受けて、非正規雇用者からのカードローンの申込みは確実に増えてきているようです。
消費者金融の利用者における非正規雇用者の割合はデータとして集計はされていませんが、非正規雇用と推測される、年収200万円以下の利用者の割合は少しずつ増えてきています。
大手消費者金融アコムでは、10年前の2009年3月決算のデータでは、新規申込者における年収200万円以下の方の割合は20.8%でしたが、2019年3月決算のデータでは25%に増えました。
また、公表はされていないものの、中小消費者金融では、非正規雇用者の利用割合は、もっと高くなっていることが推測されます。
筆者の知り合いの金融関係者によると、中小消費者金融の新規申込者における、非正規雇用者の割合は、いまや7割近くなっているとの話も聞きます。
このように、かつては審査で減点対象であった非正規雇用という形態も、現在では、むしろ「非正規雇用が普通」というように一般的なこととして定着しつつあるので、審査は通りやすくなっているとも言えます。
※関連記事:フリーターでもキャッシングできますか?
【まとめ】
まとめると、以下の事が言えるでしょう。
⇒正社員であることは審査でアピールすべき!高額融資が見込めるかも!?
②いまどきは非正規雇用が一般的なので、年収200万円以下の貸出しが増えてきている。
⇒非正規雇用でも借入れしやすくなってきている!
このように、カードローンの審査もここ10年かけて徐々に変わってきています。
この傾向は今後も当面、続いてゆくことが予想されます。
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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