最近、銀行カードローンの過剰融資が問題視されて、各銀行の自主ルールで審査基準が変わってきています。
(参考記事:銀行カードローンの審査基準はどう変わったか!)
また、このような、銀行カードローンの審査基準の変更を受けて、消費者金融の中にも審査基準を見直してきている会社も増えてきました。
では、実際、消費者金融の審査基準はどのように変わってきているのでしょうか。
今回は、消費者金融の審査基準について最新事情をお届けします。
【銀行カードローンの借入れをどう考えるか】
最近の消費者金融の審査で大きなポイントになっているのは、「銀行カードローンからの借入れをどのように考えるか」ということです。
消費者金融に導入されている、「総量規制」は、改正貸金業法の目玉なので、監査などでも重点的にチェックされており、どこの会社もかなり厳格に遵守しています。
このため、消費者金融からの借入れは、基本的に、年収の3分の1を超えていることはありません。
しかし、銀行カードローンには、総量規制はありません。
また、各銀行で自主ルールが定められたのもつい最近のことなので、消費者金融に申込みをしてくる方の中にも、銀行カードローンでかなりの額を利用している人もいます。
このため消費者金融の中には審査基準を、
① 銀行も消費者金融も含めて、カードローンの借入れ額は年収額の2分の1まで
とか、
② 銀行も消費者金融も含めて、カードローンの借入れ額は年収額の同額まで
としている会社も出てきています。
また、いまだ従来通りの審査基準の、
③ 消費者金融の借入れが年収の3分の1まで
としている会社もあり、この辺りの基準は各消費者金融によってバラバラで統一されていません。
但し、最も妥当だと言われているのは、①の基準です。
この基準は、大手メガバンクが、銀行カードローンの審査基準として、近年、採用した基準でもあり、消費者金融も今後、数年かけてこの基準が浸透してゆく流れにあると思われます。
【件数は何件まで】
加えて件数の問題もあります。
例えば、銀行カードローンから、同じ200万円の利用があったとしても、1件で200万円借りているのと、4~5件で200万円を借りているのでは、審査結果は全く変わってくることがあります。
適正な件数は、せいぜい「銀行も消費者金融も含めて3件程度まで」とも言われています。
つまり、「自社を含めて、カードローン5件目は融資しない」ということです。
しかし、これも、いまのところ各会社によって、完全に統一はされていません。
【審査基準は銀行カードローンと変わらなくなる!?】
いまのところは、総合的に見て、消費者金融の方が銀行カードローンよりも、審査には通過しやすいと思われますが、消費者金融の審査基準もだんだんと銀行カードローンの自主ルールに近づいてきていて、この先は、銀行カードローンと消費者金融の審査基準はあまり違いがなくなってくると思われます。
よって、銀行カードローンと消費者金融の使い分けは、
・銀行カードローンの方が、世間での印象が良い。
・銀行カードローンは消費者金融よりも金利が安い。
・消費者金融は無利息サービスを設けている会社が多いが、銀行はほとんどない。
・消費者金融は即日融資に対応しているが銀行カードローンはしていない。
といった観点で行っていけば良いでしょう。
消費者金融の審査基準も、銀行カードローンの過剰融資や自主ルールを受けて、少しずつ、銀行カードローンの審査基準に近づいてきています。
但し、消費者金融は、いまだ、独自審査の会社も多いので、今後、数年間はかかると思います。
但し、消費者金融は、いまだ、独自審査の会社も多いので、今後、数年間はかかると思います。
投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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