スルガ銀行シェアハウス融資問題の続報です。
【これまでの経緯】
女性向けシェアハウス、「かぼちゃの馬車」の運営会社である「スマートデイズ」が経営破綻したことによって、賃料収入が止まったシェアハウスのオーナーらが億単位の借金を背負い、返済が滞ってしまっていることが社会問題となりました。
このシェアハウスのオーナーは、通常、億単位の融資が受けられるような資力のない、普通の会社員も多く、融資の審査を通すために、年収証明や通帳などの資料の改ざんが行われていたようです。
この改ざんには、融資を手がけていた「スルガ銀行」の指示や関与があったのではないかということで、現在、第三者委員会を設けて調査が行われており、金融庁の検査も入っています。
※参考記事「スルガ銀行のシェアハウス問題について業界人の本音」
【スルガ銀行シェアハウス融資の承認率は驚愕の99%】
2018年8月26日
朝日新聞の記事によると、スルガ銀行のシェアハウス問題に絡む融資審査は、承認率が99%であり、審査がほとんど機能していなかったことがわかったとのことです。
これまでも、同行では、シェアハウス融資問題に関しては、目先の利益を優先した営業部門の幹部が審査部門を恫喝するなどして、不正を黙認して融資をしていたことがわかっています。
このずさんな投資計画は破綻し、業者は相次いで業務を停止、オーナーである会社員らは借金を返済できず、同行は400億円以上の貸し倒れ引当金を計上しました。
【スルガ銀行会長引責辞任へ】
2018年8月27日
同行の岡野光喜会長が、一連の不正融資問題によって引責辞任する意向を固めたことが、8月27日に各種メディアで報道されました。
岡野氏は創業家出身で、30年以上にわたり同行のトップを務めてきましたが、早ければ、9月中にも辞任する見通しです。
現在、立ち入り検査中の金融庁は、同行の企業統治が機能不全状態で、不正を防げなかったとして、経営陣の責任を重くみており、業務改善命令や業務停止命令などの行政処分の検討を本格化させています。
また、弁護士らによる同行の第三者委員会も取締役会の責任を厳しく追及する構えで、月内にも報告書を公表する予定です。
投稿者プロフィール

- 編集者・ライター
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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