【自己破産2年連続増加に銀行カードローンの影響】
2018年2月13日の朝日新聞によると、最高裁がまとめた、2017年の個人の自己破産件数は、前年比6.4%増の6万8791件で、2年連続で増加したとのことでした。
伸び率も、2016年が前年比1.2%増でしたが、今回、6.4%増と大幅に拡大したとあります。
また、朝日新聞では、この影響が、ここ数年貸出しが急増した銀行カードローンの影響もあるとみられるとしています。
【銀行では既に対策は実施中】
既に、全国銀行協会は平成29年3月16日には、「銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ」を行っており、過剰融資の防止策を講じるよう会員銀行に求めています。
また、金融庁が大手銀行などに、カードローン業務に関する検査も行っており、現在、多くの銀行は貸出額を年収の2分の1以下に抑え、CMは自主規制している状態です。
【効果が出るのは3年後か?】
現在、銀行カードローンは世間でかなり叩かれているので、2018年以降は、融資残高が減少傾向になってくると思われます。
また、自主規制強化後の貸出しになる、2018年の契約分からについては、自己破産件数も徐々に減少してくると思われますが、カードローンの返済期間は3年ほどなので、向こう3年間は増加の傾向が続くかもしれません。
効果を数字で実感できるまでには、やはり3年ほどはかかってしまうでしょう。
【カードローンの議論は冷静に】
ただ、効果が表れるまでのこの3年のうちに、さらに規制が強化されて、カードローン事業から事実上、撤退する銀行が増加しないかということが心配です。
銀行が貸出しを2分の1としているのは、銀行も消費者金融も含めた、カードローン全体のことが基準になっています。
これは、「貸金業者」だけで3分1としている、消費者金融よりも実質、厳しい条件かもしれません。
既に、新生銀行が、銀行カードローン「レイク」の新規融資を2018年3月末で取りやめると発表しています。(こちらの記事を参照)
消費者金融を淘汰し、銀行を淘汰した後、カードローン事業が無登録業者の独占になってしまっては、本末転倒です。
カードローンに対する、潜在的な需要は変わらないので、過剰融資の問題に対しては、消費者金融の正規登録業や銀行が営業継続できる余地を残し、バランスをとった議論を求めたいところです。
そのうえ、銀行までが、カードローン事業から撤退するようになれば、資金需要者の受け皿がどこに流れてゆくのかが心配です。
投稿者プロフィール

- 編集者・ライター
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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