近年、20代の若者のキャッシング利用が増加傾向にあることはご存知でしょうか。
あまり世間では、取り上げられていませんが、大手消費者金融のデーターでも、20代の新規顧客は全体のなんと50%を超えるまでになってきています。
※参考(20代の新規顧客比率)
アコム
2015年度:47.0%
2016年度:49.5%
2017年度:52.2%
SMBSコンシューマーファイナンス(プロミス)
2015年度:43.0%
2016年度:46.5%
2017年度:49.1%
これはあくまで新規顧客の比率ですが、全顧客における20代の比率も年々高まってきています。
コンテンツ
【若者のキャッシングが増えた原因は?】
このように若者の申込みが増加している背景には、様々な原因が考えられます。
①キャッシング自体に抵抗がなくなった
かつては「キャッシング」に対して、「借金」というどこか後ろ暗いイメージがありました。
しかし、最近は、タレントを起用した大手のテレビCMなどの効果もあって、キャッシング自体に抵抗を感じる人は少なくなったようです。
また、2010年6月には改正貸金業法が施行されるなど、キャッシング業界全体が健全化されて、気軽に利用しやすくなったということもあります。
②広告媒体・申込み方法の変化
かつてのキャッシングは店頭に来店しての融資が基本でした。
その後、90年代の無人契約機ブームを経て、スマホが普及した現在では、インターネットキャッシングが主流になっています。
広告媒体も雑誌、新聞などが中心であったのが、ネット広告に切り替わってきています。
おのずと、若者を集客しやすい環境になっています。
③若者の低所得化
厚生労働省の発表では、いまや、就労者の4割以上が非正規雇用であり、日本型の終身雇用、年功序列といった雇用形態は崩壊しつつあります。
特に若い世代では、ワーキングプアと呼ばれる、年収200万円以下の所得の人も少なくありません。
娯楽や贅沢といったことでなく、生活のためにキャッシングを利用する若年層も増えてきていると思われます。
【自己破産増加と若者のキャッシング】
若い人でも、もちろん、しっかりした人はいますが、「若気の至り」という言葉があるように、若い世代は人生経験も浅く、中には自己管理がしっかり出来ていない人もいます。
若者がキャッシングをすることは、もちろん法律違反ではありませんが、社会経験が浅い分、安易に借入れを増やしてしまい、気が付いたら返済不可能な状態にまでなってしまう人も少なくありません。
また、2003年のピーク以降、ずっと減少傾向にあった、自己破産件数も、2016年、2017年と、2年連続して増加してきています。
自己破の増加は、「銀行カードローンの過剰融資」が原因とも言われていますが、若者のキャッシングが年々増加してきていることも要因のひとつかもしれません。
【若者へのキャッシングアドバイス】
2010年6月に施行された改正貸金業法によって、消費者金融など貸金業者には「総量規制」が導入され、原則、年収の3分の1を超える貸出しは禁止されています。
また、近年、銀行カードローンでも、いわゆる「カードローン」の貸付けが「年収の2分の1」を超える場合は貸出ししないといった制限を設けているところも多く、各行、審査基準の見直しを図っています。
(参考記事:銀行カードローンの審査基準はどう変わったか!)
しかし、消費者金融の総量規制や、銀行カードローンの自主ルールによる規制は、あくまで、法律や業者側が設けている最低基準です。
各個人の返済能力の限界は、それぞれの事情によっても異なります。
こたとえ、総量規制の範囲内であっても、返済能力を超えてしまう人ももちろん存在するでしょう。
キャッシングを利用する際は、最終的には、自分自身で、借入れし過ぎないように、自己管理してゆくことが大切です。
厳しい言い方かもしれませんが、どうしても、自己管理に自信が持てない人は、キャッシングを利用することはやめておいた方が良いでしょう。
くれぐれも、自分自身の限界を理解して、計画的に利用して下さい。
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投稿者プロフィール

- 金融専門記者
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自らもかつて貸金業に従事。その経験を活かして現在は金融情報専門のライターとして精力的に活動中。幅広い人脈を活用した情報取集力には定評がある。
当サイトを含め多数のサイトで執筆を担当。
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