【銀行カードローンの信用情報が毎日更新へ!】
2019年3月30日の報道によると、全国銀行協会が、多重債務者増加防止の一環として、「全国の銀行が顧客の借入残高を正確に把握するための体制整備」に乗り出したとのことです。
柱となるのは、「信用情報への登録更新の頻度を増やす」ことになるようです。
現在、消費者金融などの貸金業者には、信用情報に毎日報告することが義務付けられていますが、銀行カードローンは、信用情報機関への更新報告を、月1回しか行っていません。
また、更新する日も各銀行によってバラバラです。
このように、現在は、銀行カードローンの信用情報への報告は、「キャッシング」よりも「ショッピングローン」の報告に近いイメージになっています。
(参考記事:ショッピングローンと信用情報)
これを消費者金融同様に、毎日更新にして、残高などの情報がリアルタイムで把握できるようにする方針で、2021年度中に開始するようです。
【毎日更新で延滞状況も詳しく把握される!?】
銀行カードローンの信用情報への報告が毎日更新されれば、情報の精度があがるのは、残高情報だけではありません。
その借入れが現在、延滞中かどうかということも、より正確に把握されることになります。
現在のように更新報告をするのが月1回であると、1カ月以内の返済遅れに関しては、審査する金融機関側は、その借入れの返済が遅れているかどうかをリアルタイムで正確に把握することはできないはずです。
このため、現在、他の銀行の返済が遅れている人に対しても、融資をしてしまうということが、どうしても起こり得ます。
それが、毎日報告されることになると、現在返済が遅れているかどうかは、1日単位で把握されるようになります。
審査する金融機関からすれば、「残高情報」よりも、むしろこの「返済情報」が正確になる方が、不良債権を抑制する面で、メリットがあるかもしれません。
また、銀行カードローンが毎日更新となることで、審査の精度が上がるのは、銀行だけではありません。
銀行カードローンの借入れ情報は、消費者金融のカードローン審査においても、共有されているので、同時に消費者金融の審査の制度も上がることになります。
【崩れつつある銀行の性善説】
この銀行カードローンの信用情報への毎日報告は、それほど画期的なものでもなく、既に、消費者金融などの貸金業者には、2010年6月の改正貸金業法施行によって義務付けられているものです。
銀行カードローンと、消費者金融のフリーローンがほぼ同様の商品内容であることを考慮すれば、現在、月1回の報告であること自体が、そもそも「性善説」に基づいて、優遇されすぎだったのかもしれません。
(「性悪説」に基づく、消費者金融には、さらに、「総量規制」という法律上の貸出し制限もあります。)
最近の銀行カードローンの過剰融資問題も見ても、
・銀行=性善説
・消費者金融=性悪説
と、単純に区分けする図式も崩れつつあるように感じられます。
・キャッシング・・毎日報告(日次報告)
・ショッピング・・月1回の報告(月次報告)
ということで、より明確に区分けできるようになると思われます。
投稿者プロフィール

- 編集者・ライター
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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