【ファミリーマートの新たな金融サービス】
2021年2月、コンビニ大手であるファミリーマートが、消費者金融事業に参入するとの報告がありました。
具体的には、スマホアプリ「ファミペイ」の電子マネー「FamiPay」の新サービスとして展開される「FamiPayローン」がそれにあたります。
この「FamiPayローン」は、個人への数万円単位の小口融資を想定しており、「ファミペイ」に紐づけてある銀行口座への振り込みとなる仕組みです。
また、個人融資以外にも、FamiPayの残高不足時にも後払いで利用できる「FamiPay翌月払い」も展開するとの発表があり、それぞれ関係当局への事業者登録を前提に、2021年夏以降、順次開始するとのことです。
大まかなイメージは以下のようになります。
・サービス内容:少額の現金を融資
・事業内容:消費者金融業
・監督官庁:金融庁
・サービス内容:商品購入に伴う最大10万円までの翌月払い
・事業内容:割賦事業
・監督官庁:経済産業省
ファミリーマートは、これらのサービスを展開することで、コンビニ店頭での購買の活性化と、「ファミペイ」の促進につなげる狙いとのことです。
【与信はAI審査】
ファミリーマートでは、これまで、自社グループでのクレジットカードでのキャッシングサービスは提供してきましたが、クレジットカードを持たない、個人への融資事業においては、与信ノウハウを持っていませんでした。
(消費者金融事業は、原則、無担保無保証なので、貸し倒れリスクが高く、これまでノウハウを持たない事業者は、なかなか参入の敷居が高い事業でした。)
しかし、今回のサービス提供は、新生銀行グループの新生フィナンシャル株式会社(現在、レイクALSAブランドで消費者金融事業を展開中)とセカンドサイト株式会社(AIテクノロジーを提供する会社)との協業であり、ファミリーマートの膨大な購買データと、これらの業者の長年のノウハウや分析力を掛け合わせることで、新たな与信の仕組みを構築することが可能となったとのことです。
また、ファミリーマートの親会社である、伊藤忠商事はフィンテック(ファイナンスとテクノロジーを併せた造語で、「IT技術を駆使した金融サービス」の総称)を活用したサービスを強化する方針を進めています。
このことよりも、「FamiPayローン」の与信は、近年流行りの「AI審査」が導入されることが予想されます。
【世間の反応は】
これまでのコンビニ業界では、セブンイレブンが「セブン銀行」、ローソンが「ローソン銀行」と、銀行業への参入が主流でしたが、今回、ファミリーマートの金融サービスでは、消費者金融業への参入となります。
このことについて世間では、
・コンビニで手軽に借入れできるカジュアルさから、「借金をする」敷居が低くなる!
・借金してファミチキを食べる!
など、やや批判的な声もあがっています。
但し、実際にサービスが開始されれば、利用者は相当数も込めるとの見立てもあります。
また、この「コロナ禍」の中での消費者金融事業開始が、吉とでるのか凶とでるかは意見が分かれるところでもあります。
当初の予想よりも長く、2021年度も「コロナ禍」は、まだまだ継続していきそうです。
消費者金融業界でも、一時期よりはマシになりましたが、顧客の借り控えがまだまだ続いている状態です。
あくまでも、個人的な感想ですが、このタイミングでの消費者金融業への参入は、やや時期が悪いようにも思えます。
投稿者プロフィール

- 編集者・ライター
- 主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。
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