カードローンの本人確認の法律が変わりました

2020年4月1日に犯罪収益移転防止法が改正され、カードローンの「本人確認」がより厳格化されたことはご存知でしょうか。
この改正によって、各カードローン会社は、契約必要書類の変更を余儀なくされました。
具体的にどう変わったのか見ていきましょう。

 

【犯罪収益移転防止法とは】

まずは、今回、改正があった、犯罪収益移転防止法について簡単に説明をしておきましょう。

犯罪収益移転防止法(正式名称:犯罪による収益の移転防止に関する法律)とは、テロリストや犯罪者に資金が流れたり、マネー・ローンダリングに利用されることを防止するために、2008年3月1日に施行された法律です。
背景には、2001年9月11日の同時多発テロで、急激にテロリズムへの脅威が高まったことがあります。
カードローンの本人確認は、この法律に基づいて行われています。

カードローンのような小口融資がテロや犯罪に流れるかどうかはともかく、この法律で、カードローンに求められていることは、要するに、本人確認をしっかり行い、疑わしい取引は届け出るようにしなさいということです。

犯罪収益移転防止法は、その後、何度も改正を繰り返し、その都度、本人確認は厳格化されてきました。

 

【本人確認はどのように変わったのか】

それでは、今回の犯罪収益移転防止法の改正で、カードローンの本人確認がどのように変わったのか確認していきましょう。
(ここではインターネットキャッシングなど非対面での融資を想定して解説しています。)

●現住所記載の本人確認書類が2点必要

インターネットキャッシングなど非対面による融資の場合、免許証、保険証など、現住所が記載してある本人確認書類は、原則2点確認することが必要となりました。
尚、現住所を記載した本人確認書類がなければ、「補完書類」として、公共料金などの領収書の確認が必要となります。
組み合わせは以下の通りです。

・本人確認書類(現住所記載分)×2点
・本人確認書類(現住所記載分)×1点 + 補完書類(現住所記載分)×1点
・本人確認書類(旧住所記載分)×1点 + 補完書類(現住所記載分)×2点

●契約書類は書留転送不要郵便で送付

上記に加え、契約書類等の郵送は、原則、「書留」などにより、転送不要郵便で送付することが必要となりました。

 

【オンラインでの本人確認方法】

ここまでは、契約書類の取り交わしを郵送で行う、一般的なインターネットキャッシングについて解説してきましたが、最近では、大手消費者金融を中心に、郵送物が一切不要で、オンラインで完結する、「WEB完結」という商品も増えてきました。
こちらの本人確認はどのようになっているのでしょうか。
下記4種類の方法があります。

①本人確認書類の画像+本人の容貌画像を送信

第1の方法は、カードローン会社が提供する、画像加工機能がないソフトウェア(アプリ等)を利用して、
・写真付き本人確認書類
・本人の容貌の画像
を送信を受ける方法です。

尚、送信する本人確認書類は、氏名、住所、生年月日、本人の写真が確認できるものであることはもちろん、本人確認書類を斜めに傾けて撮影するなどして、「厚みその他の特徴」が確認できるものであることとされています。

②本人確認書類のICチップ情報+本人の容貌画像を送信

第2の方法は、運転免許証やマイナンバーカードに組み込まれたICチップの情報(氏名、住所、生年月日、本人の写真の情報)と本人の容貌画像の送信を受ける方法です。

③本人確認書類の画像またはICチップ情報+銀行等への照会

第3の方法は、上記、①、②の方法で、本人確認書類の画像または、ICチップ情報の送信を受けるとともに、銀行にAPIなどを活用して本人確認を行う方法です。

④本人確認書類の画像またはICチップ情報+顧客名口座への少額振込

第4の方法は、上記①、②の方法で、本人確認書類の画像またはICチップ情報の送信を受けるとともに、実際の口座に振り込みを行い、顧客から振込みを特定するために必要な、インターネットバンキングの画面の画像などの送信を受ける方法です。

 

ライターから一言
オンラインなど様々な本人確認方法がありますが、基本は、
・現住所記載の本人確認書類が2点必要
・契約書類の送付は書留転送不要郵便
ということです。
この章を参考にして準備しておけば、融資までスムーズにいくはずです。

投稿者プロフィール

MiyakeSeiya
MiyakeSeiya編集者・ライター
主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。

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