Yahoo!スコアの開始でカードローンのスコアも加速する!?

【Yahoo!スコア始まる!】

2019年6月3日、大手検索エンジンの「ヤフー株式会社」は、保有するビッグデータから独自算出した、個人信用スコア「Yahoo!スコア」を7月1日より外部に提供すると発表しました。
 

「Yahoo!スコア」は、
① 本人確認の度合い
② 信用行動度合い
③ 消費行動度合い
④ Yahoo! JAPAN利用度合い
を測る4カテゴリーに属するスコアと、それらを集約した総合スコアで構成され、900点満点で算出されるようです。

 
事業者は、これらのいずれか、または複数のスコアを組み合わせて、Yahoo! JAPAN IDユーザーへの直接的・間接的便益提供のための活用が可能になります。

また、事業者への「Yahoo!スコア」提供は、Yahoo! JAPAN IDを連携する際に掲出される同意画面で、同意を得たユーザーのみ対象となります。
「Yahoo!スコア」の作成を希望しない場合は、作成の停止、および事業者への提供を停止できるようになっているとのことです。

もの凄く要約して言えば、「ヤフーが個人の生活スタイルをビッグデータで分析して点数化したものを事業者に提供して、事業者はその点数を様々なサービスや審査に活用する」ということです。
 
※追記(2019年10月4日)
2019年10月1日より「Yahoo!スコア」は、これまでの、利用者が拒否しなければ自動で点数を付ける方式(オプトアウト)を改めて、同意した利用者のみに点数を付ける方式(オプトイン)に変更となりました。
この変更に伴い、それまで同意なしに自動で付けたスコアについては外部企業への提供に同意した利用者を除き、10月1日で一旦全て消去されました。
 
※追記(2020年7月4日)
2020年6月29日に、ヤフーは、「Yahoo!スコア」を同年8月31日に終了すると発表しました。
終了の理由について、ヤフーは「スコアのあり方について抜本的な見直しを続けてきたが、利用者に満足いただけるサービスの提供に至らないと判断した」としています。
プライバシーへの懸念などで批判が相次ぎ、利用が定着しないまま1年あまりの幕引きとなりました。
(2020年6月30日朝日新聞より一部抜粋)
日本で、このようなスコア文化が根付くのはまだまだ先のことかもしれません。

 

【「スコア化」でカードローン審査が変わる!?】

このように個人の趣味趣向などをビッグデータで分析して点数を付け、審査するという方法は、カードローン業界でも既に開始されています。

2016年11月に、みずほ銀行とソフトバンクの共同出資で設立した、株式会社J.Score(ジェイスコア)が代表的な会社です。

このような審査手法が開始されたのは、日本ではここ数年のことですが、この技術で先行している中国では、アリババ集団の「ゴマ信用」の影響力は高く、このスコアが就職や結婚にまで、影響してくるとまで言われています。

いまのところ日本のカードローン業界では、まだまだJ.Score(ジェイスコア)のような審査手法は急進的な部類で、一般的ではありませんが、スコア次第では、いきなり高額融資をしてくれるケースも多いようで、徐々に浸透してきているようです。

今回、ヤフーが本格的に「Yahoo!スコア」を開始することで、日本でもますます「スコア化」の流れが加速してゆくと思われます。

カードローン業界においても、今後、J.Score(ジェイスコア)のように「スコア化」を採用する会社が増えて、審査自体を大きく変えてしまうことになってくるかもしれません。

 

ライターから一言
私は「アナログ人間」なので、「スコア化礼賛」の流れには、正直、やや抵抗があります。
スコアを参考にすることには大賛成ですが、スコアに頼りきった審査はいかがなものかと思ってしまうところがあるんです。
(関連記事:緊急提言!「消費者金融よ原点にかえれ!」

投稿者プロフィール

MiyakeSeiya
MiyakeSeiya編集者・ライター
主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。

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