お金を返せないとどうなるの?警察に捕まるの?

お金を借りて返済出来なくなったら、どうなってしまいかすか? 警察に捕まったりすることとかあるのでしょうか?

【お金を借りて返せなくても犯罪ではない!】

質問ありがとうございます。

いまどきはどうかわかりませんが、昔は、教育?として、家庭でも、「借りたものを返さないのは泥棒と同じ」なんて表現を使うことも多かったので、意外と、このような勘違いしている人も多いんじゃないでしょうか。

結論から言えば、お金を借りて返済出来なくなっても、「犯罪」ではなく、単なる「契約不履行」なので警察には捕まることはありません。

それどころか、警察に相談しても、「民事不介入」のため、原則、何もしてくれません。

質問者さんは、「民事事件」と「刑事事件」がごちゃごちゃになっているのだと思います。

 

ライターから一言
契約中に生活状況が変化して返済困難になってしまうとことは、誰にでも起こり得ることです。
しかし、放置することは絶対にやめましょう。

 

【民事事件と刑事事件の違い】

※民事事件

個人間同士の、法律関係に関する紛争のことです。
お金を借りて返済してもらえないというのも、民事事件の案件です。
この場合、出来ることは、民事訴訟をおこして、判決に基づき、強制執行することだけです。

※刑事事件

「犯罪を伴う事件」のことで、犯罪行為を明らかにして刑罰を求めることになる事件のことです。
お金に関することで言えば、「窃盗」、「強盗」、「恐喝」などがあたります。

つまり、お金を借りて返済出来なくなって、それを放置しておいても犯罪にはなりませんが、お金を何とか返そうとして盗みを行えば、これは、立派な犯罪になってしまうということです。

もっと言えば、お金を借りて返せなくても犯罪ではありませんが、暴力的な取り立てで返済を迫れば、それが犯罪になる可能性があるということです。

 

【返済しなければどうなる!?】

では、カードローン会社からお金を借りて返済出来なくなったら、最悪どうなるかというと、“民事訴訟をおこされて執行対象があれば強制執行される可能性がある”ということだけです。

強制執行の対象となるものは様々ですが現実的には、
・給料
・預金
・不動産(土地、家屋)
などが一般的です。

また、家財道具などを強制執行する、「動産執行」という手段もありますが、これはあまり一般的ではありません。

まず、実施したところで、民事執行法で差押え出来る動産はかなり限られています。
例えば、以下のようなものは差押え出来ません。

①債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具
②債務者等の一月間の生活に必要な食料及び燃料
③標準的な世帯の二月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭(66万円までの現金は差押え出来ない)

また、運よく差押え出来たとしても、二束三文にしかならないことが多く、回収手段としては効果的ではありません。

動産執行は、動産を換価して回収するというよりも、そこまでやることでプレッシャーをかけて、返済を促したり、身内からの協力を見込むという意味で実施されることがほとんどです。

 

【やがて時効は来るが・・】

返済をせずに、何年も放置すれば、やがて「時効」を援用出来る時期が来ます。

カードローンの借入れについて、時効を援用できるのは、最終取引日から5年です。
しかし、訴訟をされて、判決が出れば、その日から改めて10年間の時効がスタートすることになります。
つまり、最長、最終取引日から15年近く、時効を伸びる可能性があるということです。
また、時効を中断させる方法は「債務の承認」という方法もあります。

具体的には、
・1円でもいいので支払いをさせる。
・返済意志がある和解書を取り交わす
という方法です。

この「債務の承認」は、時効期間が経過した後からでも、時効を援用される前であれば効果があります。

つまり、消費者金融としては、例え5年以上放置されていても「1円でも支払いさせてしまう」方法をとれば、そこから時効を振り出しに戻すことが出来るということです。

このように時効に関する法律は、少々ややこしいので、弁護士などの専門家を通さず、個人で時効を援用することはなかなか困難です。

 

【返済出来なくても放置はしない!】

そもそも、カードローンの借入れを、返済出来なくなったからといって、放置すべきではありません。

生活状況が変化したりすることで、今まで通りの返済が困難になることは珍しくありません。
その相談先については、段階に応じて変わってきます。

相談先については、以前、回答した記事に詳しく記してあるので参考にして下さい。
(参考記事:消費者金融の返済を1年ほど放置してしまいました。大丈夫でしょうか?

また、これは、断言しておきますが、返済を放置するくらいであれば、弁護士、司法書士に相談をして、債務整理や自己破産の手続きをとって、再スタートを目指す方が、関係者に対して、よほど、迷惑がかかりません。

絶対に放置するのだけはやめましょう。

投稿者プロフィール

MiyakeSeiya
MiyakeSeiya編集者・ライター
主にサイトの編集を担当するが、記事の執筆も行う。某銀行に勤務していたが脱サラ。金融関連の出版社との馴染みが深く、金融業界の知識も豊富。

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